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2026-04-28 相続人の中に行方不明や音信不通の方がいる場合の対応② ~貸金庫の開扉~
 
 
弁護士 濱本  由

家事


 前回に引き続き今回も、遺産分割に際して相続人の中に行方不明や連絡の取れない方がいる場合の対応、とりわけ亡くなられた方(被相続人)が貸金庫を利用されていた場合の対応についてご説明いたします。

 被相続人が貸金庫を利用していた場合、貸金庫を開けるためには、銀行から全相続人の同意を求められます。一部の相続人の同意で貸金庫を開けてしまった場合に、後日、他の相続人から「貸金庫の中に○○が入っていたはずだ」、「○○がなくなっている」等のクレームが寄せられ、トラブルに発展する可能性があるためです。したがって、相続人の中に行方不明者や音信不通の方がいる場合、貸金庫はいつまで経っても開けることができず、遺産分割が完了しないことになってしまいます。前回、このような場合の対応として、「不在者財産管理人」の制度が使えるということをご紹介しました。

 しかし、不在者財産管理人の選任には時間も費用もかかるうえ、仮に貸金庫の中から被相続人の自筆証書遺言書が発見され、遺言書に従えば当該行方不明者に遺産を渡す必要がないような場合、不在者財産管理人の選任そのものが無駄になってしまいます。したがって、被相続人が自筆証書遺言を作成している可能性が高いケースでは、不在者財産管理人の選任より先に貸金庫の中身を確認したいところです。

 そこで、このような場合には、貸金庫を開ける際に公証人に同行して貰い、公証人に「事実実験公正証書」(貸金庫の内容物を公証人が確認して記録する公正証書)を作成して貰うという方法が有効です。事実実験公正証書の作成は、不在者財産管理人選任より時間もコストも少なくて済むうえ、中立の立場の公証人が、貸金庫の内容物を正確に書面に残してくれますので、上記のようなトラブルを防止することができます。なお、公証人による事実実験公正証書作成の方法で貸金庫を開けられるかどうかは、銀行側の判断となりますので、事前に銀行担当者とよく話し合っておく必要があるでしょう。

以上