弁護士 大野 浩正
民事
顧客や利用者からの暴行やひどい暴言、不当な要求などのカスタマーハラスメント(カスハラ)は今や社会問題となっています。その対策として、厚生労働省が2020年2月に公表した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、事業主がカスハラに適切に対応するための体制の整備や従業員への配慮などの具体的方法が示されています。
更に今年6月改正された労働施策総合推進法では、事業主に対し、カスハラを防止するために雇用管理上必要な措置を取ることが義務付けられました。
この改正法は来年中に施行される予定ですが、カスハラは従業員に過度の精神的ストレスを与え、通常の業務に支障が出るなど、企業や組織に多大な損失を生じさせるおそれがあるものです。事業主が放置していると安全配慮義務違反などの責任を追及される場合もあります。
そこで、改正法が施行される前の段階からマニュアル作成や社内研修を行い、また弁護士など専門家の助言を受け、カスハラ対策について認識し、自らの組織に合った取り組みや体制づくりを検討しておくことが望ましいといえます。