弁護士 吉 江 仁 子
兵庫県弁護士会が、現在、国会で審理中の「日本学術会議法案」の廃止を求める会長声明を発出しました。
ぜひ、ご一読ください。
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兵庫県弁護士会会長声明
■ 何が問題なの?
1 法案の内容はどういうものなの?
現在審理中の法案が成立すると、現行法の「独立性」規定(3条)が否定された特殊法人「日本学術会議」(以下
「新法人」)が新設されます。
2 では何が問題なの?
(1)現在の学術会議は、国から独立して職務執行しています。
学術会議は、第二次世界大戦で、科学者,研究者らが政治に従属して、戦争遂行に加担したという深い歴史の反省
から、政府から独立した立場から「答申」や「勧告」を述べる機関として設立されました。
(2)政府からの独立性を失った新法人は、政府にとって耳障りの良い答申ばかりを行うようになるおそれがあります。
また、内閣総理大臣が指名する有識者と協議を経なければ新法人の会員予定者を推薦できないなどの仕組みになって
います。
これでは、形式的に特殊法人として政府から独立させても、実質的には、人事権を内閣が掌握することとなりかねま
せん。
3 みなさんへのお願い
例えば、大規模災害や近隣諸国で戦争が始まったなどの「有事」に、科学的な根拠が乏しい政策が推し進められたら
困りますよね?
本当は科学的な根拠が乏しい政策に対して、政府のyesマンばかりで構成された「科学者の会議体」が、「この政策
は、科学的に妥当である」ともっともらしくお墨付きを与えたら、困りますよね?
この法案は、そういうことになる危険性をはらむ法案です。
みなさんにも、ぜひ、今、進行している事実を知っていただいて、主権者として政治を見守って頂くよう、お願い致し
ます。